糖尿病が発症すると、特別な理由(血糖コントロールが極端に悪い、腎不全など重度の合併症を併発している等)がない限り医者に運動療法をするよう指示されます。
具体的にどんな運動をするべきかについては、私の主治医は特に細かい指示はありませんでしたが、基本的な方針として食後に歩いたり筋トレをするのが良いとのことでした。(医者によってはもう少し具体的に教えてくれる人もいるのだとは思います)
そんな時にはベース運動としてスロージョグがおすすめですよというのが今回の記事です。
もちろん、糖尿病患者に限らず体重を落としたい、ダイエットしたいという方にもおすすめです。
激しい運動をする?
先ず痩せなきゃいけないし、糖を消費するには激しい運動の方が良いのだろうといきなりランニングを始めるには、当時170cmない身長で80kg近い肥満体型の私のような方の場合、膝や腰への負担が大き過ぎます。
糖尿病患者に限らず、ダイエットをするには単純に摂取エネルギーから消費エネルギーを差し引いたものがマイナスになってさえいれば少なからず体重は減っていく訳で、激しい運動も間違いではないのですが・・・。
通常、人が走った際膝には体重の5~7倍以上の荷重がかかると言われています。
それに加え人体で関節だけは鍛えられないと聞いたことがあると思いますが、80kgもある状態でいきなり走り出そうものならすぐに怪我をすることは想像に難くありません。
大人しくウォーキング?
それではと思いつくのは始めにも書いたウォーキングですが、確かに身体への負担は小さいものの、実は時間あたりエネルギー消費効率はあまり良くありません。
と言うのも、通常の歩く速さ(4km/h)の場合、体重1kgあたりで1km歩く毎に消費されるエネルギーは0.5~0.6kcalであり、単純に同じ距離を走った場合の1kcalの半分程度しか消費できないとされています。
更に、当然ながら走った場合は同じ1km進むのにもウォーキングより断然短時間で済む訳ですから、ウォーキングがダイエットや糖質消費を目的とした場合には非効率的であることは自明です。
では何をするが良いのか
そこで身体への負荷もそれ程なく、多くのエネルギー消費が期待できるのがスロージョグです。
スロージョグは明確な定義はないものの、その名の通りゆっくりジョギングをするというもの。
通常、人は6km/h程度の速度を境に歩きから走りに自然に動きが変わると言われています。これにはエネルギー効率が絡んでおり、歩きのまま速度を上げていくと徐々にエネルギー消費が激しくなり、上記の速度あたりで走った場合のエネルギー消費と同じになり、それ以降は走った方がエネルギー消費が抑えられるという事実が関係しているようです。
ここで面白いのが、歩きでは早く歩こうとする程エネルギー消費が激しくなるのに対し、走りでは速度によらず単位距離当たりのエネルギー消費はほぼ一定だということです。
つまり、走った状態で速度を落としていった場合、歩くのと同じような速度でも歩きの倍程度のエネルギーが消費できる訳です。
話を戻すと、スロージョグ(歩く位の速さの走り)を取り入れることで、身体はきつくないにも関わらず、普通に走っているのと同程度の距離あたりエネルギー消費が達成できるのです。
スロージョグの走り方
上記の通りスロージョグは速度にかかわらず消費エネルギーが大きい、いわば普通に考えれば超効率の悪い(燃費が悪い)運動です。
なので、後はそれぞれの身体に負担がかからない速さで走ればよい訳です。目安としては人と話しながらでも続けられる程度に余裕がある歩くスピードで十分と言われています。
それと、膝に負担をかけない為にもフォアフット(所謂つま先着地)でチョコチョコと狭い歩幅で走るのが良いようです。つま先着地といっても、本当につま先ではなく足の指の付け根辺りでの着地のことですので、大体足裏の前1/4位の位置になるでしょうか。
これは、フォアフットにすることで足底の腱やアキレス腱をバネのように使え衝撃が往なされる効果がある為です。これまで日本ではランニングでは踵着地の方が良いと指導される場合もあったようですが、逆に踵着地だと着地の衝撃が骨を伝ってダイレクトに脚に伝わる為、膝などの故障に繋がりやすいというのが最近の考え方のようです。
確かに普通にジャンプしたら自然とつま先着地しますから、この方が人間の動作としては自然なんだろうと思いますよね。
狭い歩幅が推奨されるのも無理に大きなストライドで走ると衝撃が大きくなる為です。
ただ、唯一の欠点?としてこの走り方だと見た目があまりカッコ良いとは言えません。
効果は私のお墨付きで、80kgあった体重は60kgまでみるみる落ちたのですが、他人に見られると恥ずかしいので専ら早朝や夜間に走っていました。
体重が落ちた今は時間帯に関係なく颯爽とそれなりのスピードで走り抜けるので良いですが・・・。
また、スロージョグは糖尿病の運動療法やダイエットだけでなく、高齢者の基礎体力・筋力維持にも良いようですよ。
是非お試し下さい。
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